相続した不動産を売却するための手続き・注意すべき点について
遺産分割が終了したからといって、それで全ての相続手続きが終了するという訳ではありません。遺産分割協議終了後に、相続税として納める資金捻出のために不動産を売却したり、また、実際には利用しない実家の不動産を売却したりすることはよくあります。
もっとも、このように相続財産に含まれる不動産を売却する際には、ご自身名義の不動産を売却する場合と手続きが少し異なるため、注意が必要です。
以下、この点について簡単に解説させて頂きます。
相続した不動産を売却するための手続き・注意すべき点
1. 遺産分割協議
相続財産に不動産が含まれる場合には、被相続人名義の登記のままでは売却が出来ません。遺言書があれば、その遺言書に従って不動産登記をして売却をすれば良いのですが、遺言書がない場合には、相続人間で遺産分割協議をした上で、登記の名義を移転する必要があります。
ここで、相続財産に不動産が含まれる場合の遺産分割協議の方法としては、
①不動産そのものを分ける現物分割、
②不動産を売却して売却代金を分ける換価分割、
③特定の相続人が土地を取得して他の相続人に金銭を支払う代償分割、
④相続人の共有状態にする共有
という4つの方法があり、相続人間の協議で、どの分割方法にするかを決定することになります。
2. 相続登記
遺産分割協議によって不動産を相続した相続人は、法務局にて、被相続人の名義から相続人の名義に不動産の名義を変更します。
このような手続きを「相続登記」(=相続による所有権移転登記)といいます。
不動産を売却するためには、相続登記が必ず必要になりますので、遺産分割協議が成立したら、早めに相続登記手続きを行うようにしましょう。
3. 不動産売却
相続登記が完了した後に、いよいよ、不動産の売却を行います。
不動産を売却するには、
①不動産を査定した上で価格を決定し、
②広告・宣伝し、
③購入を検討している方と交渉し、
④契約書類や重要事項説明などを作成・締結する
上記4つの手順が必要です。
個人の方が対応するには難しいので、一般的には、不動産業者に仲介してもらった上で買い手を探すことになります。
税金に注意!
不動産を売却したことによって利益を得た場合には、相続税とは別に、その利益に対して譲渡所得税がかかることとなりますので注意してください。
不動産を相続する際、特に相続後、不動産売却を考えている際には経験豊富な弁護士へご相談を
相続財産に不動産が含まれている場合には、上述したように、遺産分割の分け方1つをとってみても4つの方法がありますし、また、不動産価格の評価について争いが起きる場合も多く、遺産分割においてトラブルが生じることが多いです。
こうしたトラブルを回避するためにも、相続財産に不動産が含まれる場合(=不動産を相続する際)には弁護士に相談をすることをおすすめします。
もっとも、弁護士とはいっても、誰に相談しても良い結果が出る訳ではありません。
不動産の相続については、上述したように不動産に関する専門知識や経験が要求されるため、実務経験が豊富な弁護士に相談するべきです。
当事務所においては、相続案件を幅広く取り扱っており、不動産売買(共同売却の案件含む)、共有物分割の事件なども数多く取り扱っております。不動産を含む相続でお悩みの方、相続をした後の不動産売却などまで視野に入れている方は、武蔵小杉あおば法律事務所までお気軽にご相談ください。