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葬儀費用は遺産総額から差し引きできるのでしょうか?

2022.09.18

回答:相続人全員の同意が取れるなら、葬儀費用を遺産総額から差し引く(葬儀費用を遺産から支払う)ことが可能です。

葬儀費用の支払いを誰が負担するのか、という点の裏返しとなる質問です。

相続人全員の同意が取れるなら、葬儀費用を遺産総額から差し引く(葬儀費用を遺産から支払う)ことが可能です。

ただし、法的に葬儀費用を遺産から差し引けることが決まっているわけではないので、もし、葬儀費用を遺産総額から差し引くことに反対をする相続人がいる場合には、誰が、葬式費用を負担する義務を負うのかという点が問題となります。

この点については、次のような4つの考え方があると言われています。

① 葬儀を主催した喪主が負担すべきとする説

喪主が葬儀費用全額を負担し、喪主から他の相続人に対して、葬儀費用の負担を求めることはできないし、遺産の中から葬儀費用を支払うこともできないという考え方です。この考え方を取る場合、香典を取得するのは喪主となるでしょう。

②  法定相続分に応じて相続人が負担すべきとする説

喪主から各相続人に対し、法定相続分に応じた葬儀費用を請求できるという考え方です。

③  相続財産(遺産)から負担すべきとする説

遺産の中から葬儀費用を支出するという考え方です。

④  慣習・条理により決定すべき

誰が葬儀費用を負担すべきか、一律に定めることができないため、慣習や条理によって定めるという考え方です。

 

上記の4つの考え方については、実は、裁判所の中でも見解が一致していません。そのため、実際には、個別の事情を考慮して、誰が負担すべきなのかが判断されることになります。

葬儀費用について、③相続財産から負担すべきとする説であれば、遺産総額から差し引きできることとなります。

他方、①喪主が負担すべきとする説の場合には、葬儀費用は、あくまでも喪主が単独で負担すべき費用となるので、遺産総額の中から差し引きすることは認められないこととなります。

最近の裁判例の傾向としては、葬儀費用は相続発生後に生じたものであって、相続(遺産分割審判)の対象ではなく、喪主が自己の判断で発生させたものとして、喪主が負担すべきと判断されるケースが多いです(名古屋高判平成24年3月29日参照)。

わかりやすく言えば、喪主の判断で、もっぱら喪主の体面を保つために500万円もかかる豪華な葬儀などを行った場合に、その費用を他の相続人に負担させるのは妥当ではない、といった考え方が根底にあるものと考えられます。

この記事を担当した専門家
神奈川県弁護士会所属 代表弁護士 長谷山 尚城
保有資格弁護士 FP2級 AFP 宅地建物取引士試験合格(平成25年)
専門分野相続・不動産
経歴1998年 東京大学法学部卒業
2000年 司法試験合格
2002年 司法修習終了(第55期) 東京あおば法律事務所に所属(東京弁護士会)
2004年 山鹿ひまわり基金法律事務所を開設(弁護士過疎対策・熊本県弁護士会)
2009年 武蔵小杉あおば法律事務所 開設
2014-15年 弁護士会川崎支部副支部長
2019-20年 川崎中ロータリークラブ幹事
2020年~ 法テラス川崎副支部長
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