特別受益の点で揉めていた事件を早期解決した事案
- 2023.05.12
相談者属性
年代:50代
性別:女性
争点
長女が母親から生前贈与を受けた分(約500万円)についてもう一人の相続人(弟)とどう折り合いをつけるか
相談内容
依頼者の母親が2ヶ月前に亡くなりました。生前、母親は、同居していた依頼者に対して約1000万円ほどの生活費援助をしてくれていました。母死亡後、そのことを知った弟が、その分を戻した上で2分の1に分けろと言ってきています。弟とあまり争いたくはないですが、どうしたら良いでしょうか?
弁護士の対応
1000万円の特別受益については認めざるを得なかったため、当事務所の弁護士としては、長男が取得を希望する不動産についての価格の調整で対応できないか、ということを考えました。
この点、長男が取得を希望する母親の自宅不動産は、不動産業者の査定を取ったところ市場価格だと5000万円程度での売却は見込めるものでしたが、長男は相続税評価の4000万円での取得を希望してきました。そこで、当事務所の弁護士から、長男に対して、本来市場価格で計算すべきところを相続税評価額で譲歩するので、特別受益の点はなしにしてもらえないか、という交渉をしました。
結果
その交渉の結果、当事務所の提案した内容で早期解決に至ることができました(受任から遺産分割協議の成立までわずか2ヶ月しかかかりませんでした)。
弁護士所感
徹底的に争えば不動産の金額について争えないことはなかったのですが、そもそも依頼者が弟とあまり揉めたくないと言っていたこと、などから早期解決を優先しました。
早期解決の結果、依頼者である姉と弟の中が悪化することもなく、依頼者の希望する解決になったと思います。
この記事を担当した専門家
神奈川県弁護士会所属
代表弁護士
長谷山 尚城
保有資格弁護士 FP2級 AFP 宅地建物取引士試験合格(平成25年)
専門分野相続・不動産
経歴1998年 東京大学法学部卒業
2000年 司法試験合格2002年 司法修習終了(第55期) 東京あおば法律事務所に所属(東京弁護士会)2004年 山鹿ひまわり基金法律事務所を開設(弁護士過疎対策・熊本県弁護士会)2009年 武蔵小杉あおば法律事務所 開設2014-15年 弁護士会川崎支部副支部長2019-20年 川崎中ロータリークラブ幹事2020年~ 法テラス川崎副支部長
2000年 司法試験合格2002年 司法修習終了(第55期) 東京あおば法律事務所に所属(東京弁護士会)2004年 山鹿ひまわり基金法律事務所を開設(弁護士過疎対策・熊本県弁護士会)2009年 武蔵小杉あおば法律事務所 開設2014-15年 弁護士会川崎支部副支部長2019-20年 川崎中ロータリークラブ幹事2020年~ 法テラス川崎副支部長