不動産を相続する際、共有名義にするのは適切ですか?
- 2026.01.28

A.原則としておすすめできません。将来的なトラブルの原因になるケースが非常に多いためです。
相続人全員で共有名義にすれば一見公平に見えますが、実務上は次のような問題が生じやすくなります。
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売却・賃貸・リフォームなど、重要な判断に共有者全員の同意が必要になる
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「売りたい人」と「保有したい人」で意見が対立し、何も決められなくなる
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管理費・修繕積立金・固定資産税の負担を巡って不満が生じる
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次の相続(二次相続)で共有者がさらに増え、権利関係が複雑化する
特にマンションの場合、管理費や修繕積立金は待ってくれません。誰が実際に負担するのかを巡り、紛争に発展するケースが非常に多く見られます。
そのため、不動産を相続する際は、
- 単独相続+代償金の支払い
- 売却して換価分割 など、共有状態を残さない方法を検討するのが原則です。
「とりあえず共有で様子を見る」という判断が、将来の大きなトラブルにつながることも少なくありません。判断に迷う場合は、早い段階で専門家に相談することをおすすめします。
Q.すでに共有名義になっている不動産を解消するには、どうすればよいですか?
A.方法はいくつかありますが、相続人全員の合意や法的手続きが必要になることが多く、早めの対応が重要です。
共有名義を解消する主な方法としては、次のようなものがあります。
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共有者の一人が他の共有持分を買い取る方法
代償金を支払って単独名義にする方法です。実務上はもっとも現実的ですが、資金面の調整が必要になります。 -
不動産を売却して共有関係を解消する方法
不動産を売却し、売却代金を共有持分に応じて分配します。共有者全員の同意が前提となります。 -
共有物分割請求(調停・訴訟)
話し合いがまとまらない場合には、家庭裁判所での調停や訴訟によって解消を図ることになります。ただし、時間と費用がかかり、関係悪化を招く可能性もあります。
共有名義は、放置すればするほど解消が難しくなります。特に次の相続(二次相続)が発生すると、共有者がさらに増え、問題が複雑化します。
そのため、共有名義となっている不動産については、早期に方針を決め、専門家の関与のもとで解消を検討することが重要です。
この記事を担当した専門家

神奈川県弁護士会所属
代表弁護士
長谷山 尚城
保有資格弁護士 FP2級 AFP 宅地建物取引士試験合格(平成25年)
専門分野相続・不動産
経歴1998年 東京大学法学部卒業
2000年 司法試験合格2002年 司法修習終了(第55期) 東京あおば法律事務所に所属(東京弁護士会)2004年 山鹿ひまわり基金法律事務所を開設(弁護士過疎対策・熊本県弁護士会)2009年 武蔵小杉あおば法律事務所 開設2014-15年 弁護士会川崎支部副支部長2019-20年 川崎中ロータリークラブ幹事2020-23年 法テラス川崎副支部長2024-25年 法テラス神奈川副所長2025年~ 神奈川県弁護士会副会長
2000年 司法試験合格2002年 司法修習終了(第55期) 東京あおば法律事務所に所属(東京弁護士会)2004年 山鹿ひまわり基金法律事務所を開設(弁護士過疎対策・熊本県弁護士会)2009年 武蔵小杉あおば法律事務所 開設2014-15年 弁護士会川崎支部副支部長2019-20年 川崎中ロータリークラブ幹事2020-23年 法テラス川崎副支部長2024-25年 法テラス神奈川副所長2025年~ 神奈川県弁護士会副会長























