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遺産に収益物件が含まれているのですが、その賃料収入は誰が取得するのでしょうか?

2022.07.07

回答:賃料については、相続人が法定相続分に応じて取得するということとなります。

遺産の中に収益物件がある場合には、被相続人の死後も賃料が発生し続けますが、賃料は、厳密にいうと、遺産ではありません。

相続人全員で、遺産分割協議の中で相続開始後の賃料についても取り扱うことについて合意ができる場合には、遺産と一緒に賃料についても、誰が取得するのかを話し合うことは可能となります。しかし、相続人全員で、遺産分割の中で賃料の帰属について話し合うことに合意ができない場合には、被相続人の死亡後に発生した賃料は、遺産分割の対象とはなりません。

この点、遺産分割によって不動産の取得者が決まった後であれば、その不動産の取得者が遺産分割協議成立後に発生した賃料を取得することには争いありません。

それでは、被相続人の死亡後、遺産分割が成立するまでの間の賃料は誰が取得するのでしょうか?

最高裁平成17年9月8日判決は、「相続開始から遺産分割までの間に共同相続に係る不動産から生ずる金銭債権たる賃料債権は、各共同相続人がその相続分に応じて分割単独債権として確定的に取得し、その帰属は、後にされた遺産分割の影響を受けない。」と判示しています。

すなわち、遺産分割で特定の収益物件を、特定の相続人が取得することになっても、賃料については、相続開始時に遡って、その収益物件を取得することになった特定の相続人が単独で取得するのではなく、相続人が法定相続分に応じて取得するということとなります。

整理すると、次の通りとなります。

①相続開始後に発生した賃料を遺産に含めて協議することについて相続人全員の合意があれば、遺産分割協議の中で、賃料を誰が取得するのか協議することができる。

②相続開始後に発生した発生した賃料を遺産に含めて協議することについて相続人全員の合意が得られない場合、

(ア)相続開始後、遺産分割協議成立までに発生した賃料は、相続人が法定相続分にしたがって取得し、

(イ)遺産分割協議成立後は、遺産分割によって当該収益物件を取得することになった者が、その後の賃料を取得する。

この記事を担当した専門家
神奈川県弁護士会所属 代表弁護士 長谷山 尚城
保有資格弁護士 FP2級 AFP 宅地建物取引士試験合格(平成25年)
専門分野相続・不動産
経歴1998年 東京大学法学部卒業
2000年 司法試験合格
2002年 司法修習終了(第55期) 東京あおば法律事務所に所属(東京弁護士会)
2004年 山鹿ひまわり基金法律事務所を開設(弁護士過疎対策・熊本県弁護士会)
2009年 武蔵小杉あおば法律事務所 開設
2014-15年 弁護士会川崎支部副支部長
2019-20年 川崎中ロータリークラブ幹事
2020年~ 法テラス川崎副支部長
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