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遺言書の内容に納得できない場合はどうしたらいいですか?

Q. 故人の遺言書が出てきましたが、その内容が不公平で納得できません。どう対応すれば良いでしょうか?
A. 遺言書の内容に納得できない場合、主に以下の方法があります。ただし、それぞれに注意点と制限があります。

遺言書の無効を主張する

遺言書が法的な要件を満たしていなかったり、作成時の意思能力等に問題があれば、「遺言無効確認請求訴訟」によって遺言書を無効とすることが可能です。
典型的な無効主張事由には、次のようなものがあります:
• 自筆証書遺言なのに全文自書・日付・署名・押印がない
• 遺言者に判断能力がなかった、錯誤・詐欺・強迫があった
• 証人や公正証書作成手続きに不備があった
ただし、公正証書遺言は方式が厳格なので、無効を主張できるケースは限定的になります。

遺産分割協議で別の分け方にする

遺言書通りにする必要は必ずしもありません。相続人全員(受遺者・遺言執行者を含む場合も)で合意すれば、遺言とは異なる分け方を自由に決めることができます。
ただし注意点があります:
• 遺言内容に「遺産分割協議を禁止する」、または協議制約を設けている場合は、どこまで認められるか判断が必要です。
• 一度合意をしてから再度合意しなおす場合には、贈与税がかかる可能性があります。つまり、合意によって新たな資産移動があったとみなされるケースがあるため、税務面も含めて検討が必要です。

遺留分侵害額請求を行う

もし遺言書の内容によりあなたの相続取得分が「遺留分」を下回っているなら、不足分を金銭で請求できる制度があります。これが「遺留分侵害額請求」です。
手続の流れは次の通りです

内容証明郵便などで遺留分侵害の意思を通知
相手と協議
合意できなければ家庭裁判所で調停申立て
調停不成立の場合は訴訟提起

ただし、時効には要注意です。通常、相続開始と侵害を知ったときから1年、または相続開始から10年が時効となります。
>>遺留分侵害額請求の時効・期限とは?相続に詳しい弁護士が解説

まず何からすべきか?

• 遺言書の写し・全文をまず確認してください(署名・日付・証人・押印など要件をチェック)
• 遺言書作成時の事情や遺言者の健康状態、医療記録などを整理してください
• 相続人間で、まずは話し合いを試みるのが現実的な第一歩です
• ただし、感情的な対立や法的争点が絡む場合は、初期段階から弁護士に相談・依頼することを強くおすすめします
弁護士に依頼すれば、証拠の収集、主張の組み立て、調停・訴訟対応、税務対応のアドバイスまで包括的にフォローできます。

当事務所では、初回無料相談を行っておりますので、遺言書の内容に納得できない場合にはお早めにご相談下さい。

この記事を担当した専門家
神奈川県弁護士会所属 代表弁護士 長谷山 尚城
保有資格弁護士 FP2級 AFP 宅地建物取引士試験合格(平成25年)
専門分野相続・不動産
経歴1998年 東京大学法学部卒業
2000年 司法試験合格
2002年 司法修習終了(第55期) 東京あおば法律事務所に所属(東京弁護士会)
2004年 山鹿ひまわり基金法律事務所を開設(弁護士過疎対策・熊本県弁護士会)
2009年 武蔵小杉あおば法律事務所 開設
2014-15年 弁護士会川崎支部副支部長
2019-20年 川崎中ロータリークラブ幹事
2020-23年 法テラス川崎副支部長
2024-25年 法テラス神奈川副所長
2025年~ 神奈川県弁護士会副会長
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