兄弟(姉妹)に遺留分はない。請求できない理由と今から取るべき3つの対策
- 2026.02.14

「亡くなった兄が全財産を愛人に遺贈する遺言を残していた」
「弟の私には一円も渡さないと言われた」
このような場合、兄弟姉妹に遺留分を請求する権利はありません。
これは民法で明確に定められており、原則として覆すことはできません。
しかし、それでも打てる手がゼロとは限りません(ただし、法的根拠のない期待は禁物です)。
本記事では、
- なぜ兄弟に遺留分がないのか
- 甥・姪はどうなるのか
- それでも検討すべき法的手段
- 実際の解決事例
- 放置した場合のリスク
を、相続問題を20年以上扱ってきた弁護士が実務ベースで解説します。
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兄弟(姉妹)に遺留分はある?
結論:ありません。
民法1042条1項は次のように定めています。
「兄弟姉妹以外の相続人は、遺留分として…」
このように、条文上、遺留分を主張できる主体は「兄弟姉妹以外」と明記されています。
つまり、兄弟姉妹には遺留分は一切認められていません。
具体例
相続人が兄弟だけのケースで、
- 「全財産を第三者に寄付する」
- 「全財産を内縁の妻に遺贈する」
という有効な遺言がある場合、
兄弟は法的に遺留分侵害額請求をすることはできません。
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甥・姪(代襲相続人)はどうなる?
兄弟がすでに亡くなっている場合、甥・姪が代襲相続人になります。
しかし、甥・姪にも遺留分はありません。
相続権は引き継げても、「遺留分」という保護までは及びません。
- なぜ兄弟に遺留分がないのか?
主な理由は2つです。
① 生活依存関係が弱い
配偶者や子、親は被相続人と生活基盤を共有している可能性が高い。
一方、兄弟姉妹は通常独立世帯であり、生活保障の必要性が低いと考えられています。
② 遺言自由の尊重
遺言制度は「財産処分の自由」を重視します。
兄弟にまで遺留分を認めると、遺言の自由が過度に制限されるため、立法上あえて除外されています。
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例外的に遺産を取得できるケース
遺留分がないからといって、直ちに法的手段が尽きるわけではありません。
実務上、検討すべきポイントがあります。
① 遺言の有効性を精査する
特に問題になるのは、
- 認知症
- 判断能力低下
- 第三者による不当関与
の場合です。
このような場合には公正証書遺言でも無効になることはあります。
実務例(守秘義務の範囲で要約しています)
当事務所で扱った案件では、
- 公正証書遺言あり
- 全財産を第三者へ遺贈
- 相続人は兄弟のみ
という事案でした。
しかし、遺言書作成当時の医療記録を精査した結果、遺言者の意思能力に重大な疑義が認められ、その点をカルテを元に指摘したところ、訴訟前和解に至りました。
「公正証書だから絶対に有効」とは限りませんので諦めないで下さい。
②特別寄与料(2019年改正)
2019年7月1日施行の民法改正により創設された制度です(民法1050条)。
これは、相続人ではない親族が、被相続人の療養看護や財産の維持・増加について特別の寄与をした場合に、相続人に対して金銭を請求できる制度です。
典型例
- 兄の妻が長年にわたり無償で介護をしていた
- 報酬を受け取らず家業を支えていた
単なる同居や日常的な世話では足りません。立証ハードルは決して低くありません。
本記事との関係
兄弟自身には遺留分はありません。
しかし、関係者の中に特別寄与料の対象となる親族がいる場合には、実務上、法的に制度化された金銭請求が想定される数少ない場面です(遺言があっても特別寄与料は別問題ですので、主張できるケースでは主張して下さい)。
兄弟が直接請求できる制度ではありませんが、事案によっては検討すべき重要な論点となります。
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遺言の有効性を争う場合、放置するとどうなるか?
遺留分を請求するわけではないので1年という時間制限はありませんが、時間経過は不利に働きます。
- 医療記録は保存期限がある
- 金融機関資料も早期取得が必要
- 証人の記憶は薄れる
「納得いかない」と感じた時点で動かなければ、実務上は不利になります。
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弁護士に依頼するメリット
兄弟間相続は感情が激しく対立します。
- 法的見通しの提示
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兄弟だからこそ、争いは長期化する可能性は高いです
しかし、冷静に法的整理をすれば解決の道はあります。
まずは状況を整理することから始めましょう。
よくある質問については

2000年 司法試験合格2002年 司法修習終了(第55期) 東京あおば法律事務所に所属(東京弁護士会)2004年 山鹿ひまわり基金法律事務所を開設(弁護士過疎対策・熊本県弁護士会)2009年 武蔵小杉あおば法律事務所 開設2014-15年 弁護士会川崎支部副支部長2019-20年 川崎中ロータリークラブ幹事2020-23年 法テラス川崎副支部長2024-25年 法テラス神奈川副所長2025年~ 神奈川県弁護士会副会長























