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遺留分侵害額請求の訴訟とは?注意点や流れについて弁護士が解説

2026.01.28
遺留分侵害額請求の訴訟とは?注意点や流れについて弁護士が解説

遺留分侵害額請求の訴訟とは?

相続において、被相続人の遺言内容や生前贈与によって、特定の相続人に財産が集中してしまうケースは少なくありません。このような場合でも、一定の法定相続人には最低限保障された取り分として「遺留分」が認められています。そして、その遺留分が侵害されたときに行使できるのが「遺留分侵害額請求」です。

遺留分侵害額請求は、話し合い(協議)や調停で解決することもありますが、当事者間で折り合いがつかない場合には、最終的に訴訟によって解決を図ることになります。本記事では、遺留分侵害額請求訴訟の概要や注意点、流れについて、弁護士の立場から分かりやすく解説します。

遺留分侵害額請求訴訟とは?

遺留分侵害額請求訴訟とは、遺留分を侵害された相続人が、遺留分を多く取得した相手方に対し、侵害された金額(不足分)の支払いを求める訴訟です。

平成30年の民法改正(2019年施行)により、従来の「遺留分減殺請求」は「遺留分侵害額請求」に改められました。これにより、請求の内容は原則として金銭請求となり、不動産や株式などの現物を取り戻す形ではなくなっています。

遺留分が認められる人

遺留分が認められるのは、配偶者、子(代襲相続人を含む)、直系尊属(父母など)です。兄弟姉妹には遺留分はありません。遺留分侵害額請求訴訟は、こうした遺留分権利者が、自身の法的権利を実現するための最終的な手段といえます。

遺留分請求訴訟の流れと期間の目安

遺留分侵害額請求訴訟に至るまでには、いくつかの段階があります。解決までの期間は、協議から訴訟終了まで含めると1年〜2年程度を要することも珍しくありません。

1.遺留分侵害額請求の意思表示

まず重要なのが、遺留分侵害額請求の意思表示です。遺留分侵害額請求権には消滅時効があり、「相続開始および遺留分侵害を知った時から1年」、または「相続開始から10年」で権利が消滅します。そのため、内容証明郵便などで、期限内に請求の意思を明確に示すことが不可欠です。

2.協議・交渉

意思表示後は、当事者間で協議を行い、支払額や支払方法について話し合います。この段階で合意に至れば、早期解決が可能です。

3.調停前置(遺留分侵害額請求調停)

遺留分侵害額請求については、原則として**「調停前置主義」**が採られており、直ちに訴訟を提起することはできません。まずは家庭裁判所に対して「遺留分侵害額請求調停」を申し立てる必要があります。 (相手方の行方が不明であるなど、調停を行うことが不適当な例外的なケースを除きます)

4.遺留分侵害額請求訴訟の提起

調停が不成立となった場合に、はじめて訴訟を提起できます。訴訟は家庭裁判所ではなく、地方裁判所または簡易裁判所に提起されます。 訴訟では、遺産の範囲、生前贈与の有無や時期、各財産の評価額などが主な争点となり、書証や鑑定結果を踏まえた専門的な主張立証が求められます。なお、訴訟の期間は事案にもよりますが、1年前後、争点が多い場合は2年以上を要することもあります。

5.判決または和解

訴訟の途中で裁判所から和解案が提示され、和解で解決するケースも多くあります。和解が成立しない場合には、最終的に判決が言い渡され、支払義務の有無や金額が確定します。

遺留分侵害額の計算式と仕組み

遺留分としていくら請求できるかは、法律で決まった計算式に当てはめて算出します。この内訳を正しく把握していないと、本来請求できるはずの金額を見逃してしまうリスクがあります。

【計算式】
遺留分侵害額 = (A× B) – C + D
  • A:遺留分を算定するための基礎財産 亡くなった時の財産だけでなく、一定の「生前贈与」を足し戻し、そこから「借金(債務)」を差し引いた、遺留分計算の土台となる金額です。
  • B:遺留分の割合(個別的遺留分率) 法律で定められた、その相続人が最低限受け取れる権利の割合です。
  • C:本人が取得した額 遺言で受け取った財産や、本人が過去に受けた「特別受益(生前贈与)」の額です。
  • D:本人が承継した債務額 本人が引き継いだ亡くなった方の借金や未払金です。

不動産の鑑定評価や、どの贈与を計算に含めるかといった判断により、最終的な金額は大きく変動します。

遺留分請求訴訟の注意点

1.消滅時効の壁

1年という期間は非常に短いです。他の相続人の動きを確認しているうちに経過してしまうため、まずは「意思表示」だけでも速やかに行う必要があります。

2.支払猶予の認められる可能性

現行法では金銭での支払いが原則ですが、相手方が直ちに現金を準備できない特別な事情がある場合、裁判所は支払いの全部または一部に期限の猶予を与えることができます(相当の期限の猶予)。不動産が主体の相続などで「払いたくても払えない」という反論が予想される場合、この点も踏まえた戦略が必要です。

3.財産評価の難しさ

不動産や非上場株式などは評価方法によって金額が大きく変わります。評価を誤ると、本来得られるはずの遺留分を下回る結果になりかねません。

遺留分請求を弁護士に依頼するメリット

  1. 正確な遺留分額の算定
  2. 複雑な法的判断に基づき、漏れのない適正額を算出します。
  3. 時効と手続の徹底管理
  4.  期限管理や調停・訴訟の適切な選択を代行します。
  5. 有利な交渉・調停
  6.  法的根拠に基づき、相手方に対して現実的な解決を促します。
  7. 訴訟を見据えた一貫戦略
  8.  調停段階から証拠収集を行い、訴訟移行時にもスムーズに対応可能です。
  9. 精神的負担の軽減
  10. 弁護士が窓口となることで、当事者同士の直接交渉によるストレスを解消します。
自己対応による典型的な失敗

不十分な内容証明で時効を止めたつもりになっていたり、相手方の提示した過小な金額で合意書を交わしてしまったりするケースが散見されます。一度成立した合意を後から覆すのは極めて困難です。

遺留分に関するお悩みは当事務所にご相談ください

遺留分侵害額請求は、相続問題の中でも特にトラブルに発展しやすく、専門的な知識が求められる分野です。対応が遅れると、取り返しのつかない結果になることもあります。

当事務所では、相続問題に注力してきた弁護士が、遺留分算定のシミュレーションから訴訟対応まで丁寧にサポートしております。少しでも不安や疑問がある方は、どうぞお早めに当事務所までご相談ください。

この記事を担当した専門家
神奈川県弁護士会所属 代表弁護士 長谷山 尚城
保有資格弁護士 FP2級 AFP 宅地建物取引士試験合格(平成25年)
専門分野相続・不動産
経歴1998年 東京大学法学部卒業
2000年 司法試験合格
2002年 司法修習終了(第55期) 東京あおば法律事務所に所属(東京弁護士会)
2004年 山鹿ひまわり基金法律事務所を開設(弁護士過疎対策・熊本県弁護士会)
2009年 武蔵小杉あおば法律事務所 開設
2014-15年 弁護士会川崎支部副支部長
2019-20年 川崎中ロータリークラブ幹事
2020-23年 法テラス川崎副支部長
2024-25年 法テラス神奈川副所長
2025年~ 神奈川県弁護士会副会長
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