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遺言が有効か無効か微妙な事案において、遺言の無効を主張し、遺留分を上回る金額を取得できた事案

2024.05.29
相談者属性

年代:70代

性別:男性

相談内容

父が亡くなりました。母はそれ以前に亡くなっていたため、相続人としては相談者と相談者の弟のみです。相談者としては、2人の兄弟なので遺産を2分の1ずつ取得するものと考えていたところ、弟から、父の遺言書が見つかったとの連絡を受けました。そして、その遺言書の内容は、「財産はすべて弟に相続させる」というものだったため、弟は「父の相続財産はすべて自分がもらう」と言い始めました。

遺言書が作成された時期は、ちょうど父の物忘れがひどくなってきた時期であり、その後に病院へ入院もしていたこと、内容的にも全て弟に渡すという不公平なものであって到底父親が作成したとは思えないことから、相談者としては父の作成した遺言書は有効なのか、疑問に感じており、当事務所に相談に来ました。

弁護士の対応

まずは、本件の遺言書が有効であるかどうかを調査することとしました。具体的には、遺言書作成直後の父の入院先等から医療記録を取り寄せる類似の裁判例を調査するなどして遺言能力の有無を調査しました。また、それと並行して、相談者の父名義の銀行口座の取引履歴を取得するなどし、財産調査を同時並行で行いました。)

 上記医療記録を検討した結果、相談者の父の遺言書作成当時にはすでに認知症の疑いがあったと推測されたため、相手方に対して遺言作成時には相談者の父には遺言能力がなかった疑いがあると主張しました(実際には、医療記録の中の認知症テストの数値としては微妙であり、裁判となった場合には、遺言能力が有効であると判断される余地も十分ある事案でした)。

結果

 上記のとおり、遺言が無効である旨の主張をしたところ、弟にも代理人がつきました。当職から相手代理人に対して、具体的な医療記録の箇所などを示した上で、遺言が無効となる可能性もあるという主張をしたところ、相手代理人も医療記録を見た上で、早期解決を図るために、相談者が3分の1を取得するということで和解出来ないか、という話がありました。

 遺言が有効であれば相談者は遺留分の主張が出来るのみでありその場合の取り分は4分の1となります。他方、遺言が無効であれば法定相続分どおり取り分は2分の1となる事案でした。依頼者と相談した結果、訴訟となった場合の帰趨が明らかでなかったこと、依頼者も早期解決を望んでいたことから、相手代理人から提案のあった3分の1ということで解決することになりました。

弁護士所感

  • 本件では、上述したとおり、医療記録を精査した結果、訴訟となった場合には、勝敗が微妙な事案だったことから、遺言が有効な場合と無効な場合の間をとった3分の1という解決で落ち着きました。複数の医療機関からの医療記録の取り寄せ・精査などがあったため、解決まで1年弱かかってしまいましたが、訴訟となった場合にはさらに時間がかかることが予想されたこと、徹底的に争うとなると兄弟関係が悪化してしまうことが予想されたことから、双方にとって妥当な数字で解決出来たという点で、本件解決は良い解決だったと考えています。

この記事を担当した専門家
神奈川県弁護士会所属 代表弁護士 長谷山 尚城
保有資格弁護士 FP2級 AFP 宅地建物取引士試験合格(平成25年)
専門分野相続・不動産
経歴1998年 東京大学法学部卒業
2000年 司法試験合格
2002年 司法修習終了(第55期) 東京あおば法律事務所に所属(東京弁護士会)
2004年 山鹿ひまわり基金法律事務所を開設(弁護士過疎対策・熊本県弁護士会)
2009年 武蔵小杉あおば法律事務所 開設
2014-15年 弁護士会川崎支部副支部長
2019-20年 川崎中ロータリークラブ幹事
2020年~ 法テラス川崎副支部長
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