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数十年前の相続に関して遺産分割協議が成立した事例

2023.12.01
相談者属性

年代:60代

性別:女性

相談内容

平成10年に叔父がなくなり、その当時、私の父が叔父の法定相続人の1人になっていましたが、叔父の相続についての遺産分割協議は行われず、昨年、私の父も亡くなりました。私の母は既に亡くなっており、私にはきょうだいはいませんので、父の法定相続人は私1人となります。

叔父は5人きょうだいであり、子どもはおらず、また、叔父の両親も既に亡くなっているので、叔父のきょうだいが法定相続人でした。

叔父は90歳で亡くなりましたので、そのきょうだいも全員が高齢です。既に亡くなっている者もいますので、叔父が亡くなった平成10年当時と現在とでは相続人に変動が生じている可能性が高いです。

私は、大学を卒業した後、40年ほど前に上京しましたが、地元である秋田県には正月に帰省する程度で、父のきょうだい達との関係性は疎遠です。私が小さい頃に父のきょうだいたちとは会ったことがあるので、父のきょうだいの名前は把握しています。ただ、私が小さいときの記憶であり、その家族関係についてまでは把握ができておらず、上京してからは父のきょうだいは元より、その家族とは一切連絡をとっていない状態です。

この度、私の下に、秋田県内の役所から固定資産税の請求書が届きました。その書類によると、叔父は、秋田県内に空き地となっている不動産を所有していたということでしたが、叔父が亡くなった後に固定資産税を支払っていた相続人が亡くなったようで、今回、叔父の相続人である私のところに請求書が届いたということでした。

私は、神奈川県内で生活をしており、地元である秋田県に戻る予定はありませんので、土地を相続する考えはありません。とはいえ、このまま放置していると、住んでもいない不動産の固定資産税だけを毎年支払わなければならず、また、時間が経つに従って、今後も相続人が増える可能性もあります。

先日、相続登記が義務化されたというニュースを見たことから、これ以上、本件を放置することはできないと考えて、相談に来ました。

結果

長期間遺産分割協議がなされていない相続については、まず、当該相続の相続人を確定させることから始めなければなりません。

今回のケースのように当初の相続(一次相続)の相続人が遺産分割未了の状態で亡くなった場合には、その者についてさらに相続(二次相続)が発生するので、二次相続の相続人は一次相続に関する二次相続の被相続人が承継した相続分も引き継ぐことになります。そのため、被相続人が亡くなった時点の相続人と変動している可能性が考えられます。

そこで、まず、弁護士において被相続人である叔父の戸籍などを取得することにより、現時点における叔父の相続財産に関する相続人が相談者も含めて10人であることが確定できました。また、同時に、相続人の戸籍の附票を取得することにより、現住所が把握できましたので、相談者を代理して叔父の相続についての遺産分割協議を行いたい旨の連絡をとりました。

その結果、相続人10人のうち9名とは連絡がつきました。しかし、連絡が付いた相続人は誰も遺産である不動産の取得を希望する者がいませんでした。このままでは本件不動産を相続人10人が共有取得する結果となる可能性が高く、本件の抜本的な解決にはなりません。そこで、事前に不動産業者を通じて、本件不動産の購入希望者を探したところ、購入希望者が見付かったことから、相談者が本件不動産を取得して、その後、本件不動産を購入希望者に売却する方針で本件の手続を進めることにしました。

また、連絡が付いた9名の相続人からは、相談者が本件不動産を取得することに同意をしてもらえたことから、遺産分割調停を申し立てる前に、各人から相続分を譲渡してもらうことにしました。この相続分の譲渡により、連絡が付いた9名の相続人は遺産分割協議の当事者から外れることになりました。

他方、残りの1名からは返答がなく、このままでは相続人全員で遺産分割協議ができないことから、弁護士において、相談者を代理して、連絡が付かなった残りの1名を相手方として、家庭裁判所に遺産分割調停を申し立てました。

結果

裁判所に遺産分割調停を申し立てた後、これまで連絡がつかなった相手方から、弁護士の下に、「裁判所から調停申立てが届いた。自分としてはあまり関与したくないため、本件不動産を相談者が取得することに同意する」という連絡がありました。

そこで、遺産分割調停の中で、本件不動産を依頼者が取得するという内容の遺産分割協議が成立しました。 

弁護士所感

  • 今回のケースのように長期間遺産分割協議がなされていない相続の場合には、その相続人についての相続(二次相続)が発生するなどして、相続人が増える可能性があります。そして、相続人が増えると、遺産分割協議に関与する当事者が増えるばかりではなく、被相続人との関係性が疎遠な者が相続人となったり、さらには当該相続人が全国各地に散らばる可能性も高く、相続人全員での遺産分割協議を行うこと自体が困難となる可能性が高まります。

    この場合には、家庭裁判所に遺産分割調停や審判を申し立てることになりますが、解決までには時間を要しますし、相手方との連絡が付かなかった場合には、不動産を共有取得する内容の審判が出た場合には、共有物分割請求などさらなる手続が必要となるケースも想定されます。

    今回のケースのように、弁護士が相続人と連絡をとることによって、相続人に負担が少ない方法で遺産分割協議を進めることが可能となりますし、仮に連絡が付かない相続人がいる場合にも、家庭裁判所の遺産分割調停等の手続を利用することで、手続を前に進められる可能性が高まります。

    このように、遺産分割協議が長期間未了となった場合には様々な問題が生じる可能性が高まりますので、速やかな遺産分割協議を行うためにも、まずは当事務所の弁護士に相談いただければと思います。

    なお、令和6年4月1日から相続によって不動産を取得した相続人の相続登記の申請が義務化されましたので注意が必要です。

    具体的には、相続によって不動産を取得した相続人は、自己のために相続の開始があったことを知り、かつ、相続の対象となる不動産の所有権の取得を知った日から3年以内に相続登記の申請が義務付けられます。また、遺産分割が成立した場合には、これによって不動産を取得した相続人は、遺産分割が成立した日から3年以内に、相続登記をしなければなりません。また、令和6年4月1日より前に相続した不動産についても、相続登記がされていないものについては、上記義務化の対象になります。そして、正当な理由なく義務に違反した場合は10万円以下の過料の適用対象となります。

この記事を担当した専門家
神奈川県弁護士会所属 代表弁護士 長谷山 尚城
保有資格弁護士 FP2級 AFP 宅地建物取引士試験合格(平成25年)
専門分野相続・不動産
経歴1998年 東京大学法学部卒業
2000年 司法試験合格
2002年 司法修習終了(第55期) 東京あおば法律事務所に所属(東京弁護士会)
2004年 山鹿ひまわり基金法律事務所を開設(弁護士過疎対策・熊本県弁護士会)
2009年 武蔵小杉あおば法律事務所 開設
2014-15年 弁護士会川崎支部副支部長
2019-20年 川崎中ロータリークラブ幹事
2020年~ 法テラス川崎副支部長
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