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疎遠な相続人(義理のきょうだい)から土地を譲渡してもらった事案

2023.07.24
相談者属性

年代:50代

性別:男性

争点

共有不動産に関する相続持分の譲り受けについて

相談内容

依頼者は長年、父親と自宅の土地・建物に同居していました(持分2分の1ずつ)。昨年父親が死亡したので、相続登記をしようと思って相続人調査をしたところ、父親には、前妻との間に子供が2人いたことが判明しました(依頼者の義理の姉・兄)。

依頼者は、父親と長年住んでいた自宅の土地・建物について自分名義のものにしたいと考えていますが、どうしたら良いでしょうか?

※父親の遺産もほぼ不動産のみで預貯金はほとんどありませんでした。

弁護士の対応

被相続人である父親は遺言書を残さなかったので、被相続人は依頼者、そして義理の姉・義理の兄の3名になります(法定相続分は3分の1ずつとなります)。

そこで、まず、当事務所の弁護士において、依頼者の代理人として、義理の姉・兄に対して手紙を出し、依頼者の事情を説明し不動産の持分を譲渡して欲しいとおねがいをしました、

結果

相手によっては、ここで法定相続分に見合うだけの金銭(=代償金)を請求してくるケースもありますが、今回は、義理の姉・兄ともに、当方依頼者の状況を理解してくれて、自分たちは相続しなくて良いという回答がありました。

そこで、当事務所の弁護士において相続持分を譲渡してもらう書類を作成し、それに義理の兄・姉に署名・捺印してもらって、無事、依頼者名義に土地・建物の名義を変更してもらうことが出来ました(義理の姉・兄には署名代としてわずかな謝礼を渡すことで無事、解決しました)。

弁護士所感

こういうケースで今回の義理の姉・兄のように無償で相続持分を譲渡してくれる人はまれであり、不動産の共有持分に関する自己の持分の権利を主張してくることが多いです。その際、長年、父親に放置されていたというような感情が加わると、なかなか解決に至るまでに時間がかかることもあります。

しかし、本件は、義理の姉・兄とも、当方依頼者の状況を理解してくれて、すんなり相続持分の譲渡に応じて頂くことが出来ました。

依頼者の希望どおりの解決であり、かつ早期解決となったことから、弁護士としてもいい解決になったと考えております。

この記事を担当した専門家
神奈川県弁護士会所属 代表弁護士 長谷山 尚城
保有資格弁護士 FP2級 AFP 宅地建物取引士試験合格(平成25年)
専門分野相続・不動産
経歴1998年 東京大学法学部卒業
2000年 司法試験合格
2002年 司法修習終了(第55期) 東京あおば法律事務所に所属(東京弁護士会)
2004年 山鹿ひまわり基金法律事務所を開設(弁護士過疎対策・熊本県弁護士会)
2009年 武蔵小杉あおば法律事務所 開設
2014-15年 弁護士会川崎支部副支部長
2019-20年 川崎中ロータリークラブ幹事
2020年~ 法テラス川崎副支部長
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