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弁護士が介入することにより遺産分割が速やかに成立した事案

2022.07.07
相談者属性

年代:30代

性別:男性

争点

代償金の額
遺産分割協議に乗り気ではない相続人との協議

相談内容

5年前に父親が亡くなりましたが、父親が所有していた不動産について遺産分割が未了のまま放置されています。

最近になって、法定相続人間の関係が悪化したこともあり、法的関係を早期に確定させたいという相談でした。なお、相談に来る前に、依頼者自身で一部の相続人と話し合いをしており、その中で、不動産の取得を希望する相続人から代償金の提示がありましたが、相談者は金額に納得できないとのことでした。また、他の相続人は、仕事が忙しい・自分はお金に困っていない等の理由で遺産分割協議自体に乗り気ではないという点が問題となっていました。

弁護士の対応

まず、不動産については、遺産分割協議において不動産の価格は「時価」で考えられていることを依頼者に説明し、その上で、不動産業者から査定を取得しました。査定に基づいて計算したところ、もともと他の相続人から提示されていた代償金額よりも高い金額になったので、不動産の査定を元に、代償金額を上げる交渉を行ないました。

また、遺産分割協議自体に乗り気ではない相続人に対しては、もし交渉で遺産分割協議が整わない場合には、家庭裁判所に対し調停申立てを行う意向であること、その場合には、相続人全員が調停手続に参加しなければならなくなることを伝え、協力を求めました。

結果

 当初提示があった代償金額よりも大幅な増額に成功し(1,000万円ほど)、速やかに遺産分割協議が成立しました。 
  • 弁護士所感

  • 依頼者は、相談時点で、遺産分割協議において不動産の価格をどう考えるべきかについて法的知識を持っていなかったため、まずは遺産分割協議における考え方を説明し、そのうえで、不動産業者から査定を取得しました。また、代償金を提示していた相手方にもその旨、査定書を元に説明したため、代償金額について納得が得られました。

    また、依頼者は、相談に来た時点で、相続人全員の合意がなくとも遺産分割ができると誤解していたため、相続人全員で合意する必要があることを説明しました。

    本件は、父親の死亡後5年間も遺産分割がなされていない状況があったことからすると、弁護士が入らないままでは、一部相続人は協議を避け続け、遺産分割がなされないままになっていた可能性が高かった事案です。

    以上の2点について弁護士が入り問題点を整理したことで、早期に適正な価格の代償金を受領することができ、よい解決になったと自負しております。

この記事を担当した専門家
神奈川県弁護士会所属 代表弁護士 長谷山 尚城
保有資格弁護士 FP2級 AFP 宅地建物取引士試験合格(平成25年)
専門分野相続・不動産
経歴1998年 東京大学法学部卒業
2000年 司法試験合格
2002年 司法修習終了(第55期) 東京あおば法律事務所に所属(東京弁護士会)
2004年 山鹿ひまわり基金法律事務所を開設(弁護士過疎対策・熊本県弁護士会)
2009年 武蔵小杉あおば法律事務所 開設
2014-15年 弁護士会川崎支部副支部長
2019-20年 川崎中ロータリークラブ幹事
2020年~ 法テラス川崎副支部長
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